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Xc = 1/(2πfC)
Ic = E/Xc
IR = Ic ・ tanδ
cosθ = IR/I

上図-a のように誘電体と1対の電極板で構成されるコンデンサの容量を とし、 このコンデンサに交流電圧 を印加すると、I = E× 2πfC なる電流が流れ、 同-b のベクトル図で示すように電流の位相は電圧に対して90゜進みます。
ところが、周波数が高い高周波交流では誘電体のロスにより δ だけ遅れ、 同-C のように 90゜−δ θ だけしか進みません。
等価回路では同-d のように書き、IC IR のベクトル合成されたものと考える事ができます。 このうち電圧E と同位相である IR についてP = IR × E なる発熱作用が発生します。
このδを誘電損失角、tanδ= IR/IC =1/2πfCR を誘電正接といい、誘電体である物質それぞれ固有の値をもっています。
 

 上図-a に於いて
   電極の面積 =  S (m2)
   電極間隔 =  d (m)
   誘電体の比誘電率 =  εr
   周波数 =  f (Hz)
   電圧 =  E (V)

 とすると、このコンデンサの容量は
  C =ε0×εr×S/d      (F:ファラッド)
  ただし ε0 は真空の誘電率で 8.85×10-12 (F/m)

 発熱に係る電力
  P=E2/R=E2×tanδ×2πfC=E2×tanδ×2πf×S/d   (W)
 
 単位体積当たりの電力を考えると
  0=P/(S×d) であるから、
  0=(E2×tanδ×2πf×ε0×εr)/d2
  =(E/d)2×tanδ×2πf×ε0×εr
  =(E/d)2×5.56×10-11×f×εr×tanδ     (W/m3
よって、発熱に係る単位体積あたりの電力は、電界の強さ(E/d)の2乗、周波数f、比誘電率εr、 誘電正接tanδ に比例する、ということになります。
この式は誘電加熱を説明する時にしばしば用いられ、εr×tanδ をロス・ファクタと 呼んで加熱しやすさの目安としています。
比誘電率と誘電正接の積 εr×tanδ について、 0.01<εr×tanδ<1 程度が良好な誘電加熱の条件とされています。