高周波誘導加熱と周波数
誘導加熱では、周波数の選定は極めて大切であり、加熱効率ひいては、その経済性に大きな影響を与えます。エネルギーを効率良く物体に吸収させるためには、被加熱物が小さいほど高い周波数が、また、被加熱物が大きい場合には比較的低い周波数が必要となります。
表面焼入れの場合は、周波数を高くして電流浸透δ を浅くし、さらに、加熱時間を短くすることによって表面に発熱部を集中させてから、すぐに冷却する必要があります。
一般的に表面の電力密度は1〜5kW/cm2とします。
これに対して、全体の均熱加熱の場合は、周波数を低くして、δを被加熱物の直径の1/3〜1/7程度とし、加熱時間も比較的長くとります。電力密度は、0,01〜11kW/cm2程度がよく使用されます。
 金属棒の全体加熱を行う場合は、電流の浸透探さδ(cm)と金属棒の半径a(cm)との関係を通常 a/δ>2.25 となるように
周波数を選定します。
この周波数を最低許容周波数 fc といい、次式で表されます。


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