ナノ材料の作製

- Al-高Si系合金材料の超塑性と比強度向上 -

  
原料粉体、焼結体および成形体

原料粉末、焼結体および成形体

 

SPS焼結体のTEM観察写真

SPS焼結体のTEM観察写真

SPS法を用いることにより、水アトマイズ法で作製されたナノ結晶構造を有するアルミニウム・ 高シリコン(Si含有量12%以上)合金系急冷凝固粉末(平均粒径約120μm)を短時間でナノサイズのまま直径60mm厚さ 40mmの円盤状に固化成形することができます。SPS焼結条件は大気中にてSPS焼結温度723~773K、加圧力100~150MPa、 昇温・保持時間約20分で相対密度ほぼ100%の緻密な焼結体が得られました。TEM組織観察写真より、 焼結体の粒径は約600~800nmでした。このバルク状焼結体を高速鍛造プレスで3次元形状に型成形したところ10-2S-1以上 の高速歪速度下で破断することなく、1ストローク15~20秒程度で約75mmの長さに健全に成形加工することが分かりました。SPS法 により焼結体延性が向上する「超塑性現象」を発現することに成功し新機能を付加することができました。また成形体の常温引張強 度は約350MPaを示し、鋳造品に比べ約1.5倍の強度でした。この新しいナノ構造Al-高Si合金材料は家電・自動車分野の部品 製造に幅広く応用されるものと期待されています。

■出典:(財)次世代金属・複合材料研究開発協会     
(株)クボタ・「高速超塑性による部品製造技術の開発」
公開説明会資料(1999)

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