右図のように交流電源につながれたコイルの中に,円柱状の金属を挿入すると、コイルと金属は非接触にもかかわらず、金属は表面から加熱されて行きます。これが誘導加熱です。
この現象をもう少し順に追っていくと、
1. コイル中に流れる電流により磁界が発生します。
2. 磁界は金属円柱内にも発生します。
3. 金属円柱内にはこの磁界を打消すような方向に電流(うず電流と云います)が流れます。うず電流は表面に近いほど多く流れます(表皮効果といいます)。
4. このうず電流と金属の電気抵抗でジュール熱が発生します。表面に近いほど電流が多いので発熱量も多くなります。
5. 金属円柱は表面からどんどん昇温して行きます。しかし同時に放熱も始まります。
6. 金属円柱の中心部は、表面近くで発生した熱の伝導を受け、表面より少し遅れて加熱されて行きます. |